厳密に分類するとカキノキ科カキとなり、クロガキという名前の木は学術上存在しない。
日本や中国に広く分布。そのほとんどが果樹として植栽されている。
300年~400年たったカキの中心部分にタンニン(柿渋成分)が沈積し黒変する。それゆえクロガキと呼ばれるのである。
滅多にとれず、カキの杢目をみて初めてクロガキかどうかが判かるので、たいへん珍重される。
クロガキが出易い地域でさえ、千本の中より1本しか出ないと言われ、驚くほど希少です。
クロガキの柄模様は、元は同じ柿の木かと思うほど形や濃淡、色調が変容します。
紋様は黒または茶のモノトーンですが、オレンジ色やエメラルドグリーン色が混ったり、グラデーションになるものもあるようです。
また渋柿、甘柿いずれからも出るようですが、なぜクロガキになるのかは、まだ科学的に証明されていないとの事です。
「クロガキ」の表情はとてもなぜかとても「和」を感じさせます。
同じように白と黒のコントラストを特徴とするゼブラウッドと比較すると、ゼブラウッドはバウムクーヘンのようにコントラストがはっきりとしているのに対し、クロガキは墨汁がしみこんでいくようなグラデーションになっているのが特徴です。
そのような繊細な部分が日本や中国の水墨画などを連想させるのかもしれません。そして、正倉院の宝物に見られるように、古い昔からその希少性を尊ぶ文化が日本にはあったことを知ることができます。