ONE表参道(96-107)のオフィス・レセプションホールに置かれる家具、レセプションホールが、ガラスクロスの光天井と太鼓張りメッシュクロスの光壁によって、柔らかな境界面に包まれた空間となっているので、ここに置かれる家具も同じコンセプト・同じ素材として、建築と家具とが一体に感じられる空間を目指した。
技術的には、内照式のソファを実現することが困難だった。
アクリルのフレームに透明塩ビチューブと透明なジェルシートを取りつけ、さらに全体をガラス繊維の立体編物素材(旭化成:フュージョン)でくるむことで、適度なクッション性をもたすことが可能となった。
内部に取りつけた蛍光灯の光によって、あらゆるジョイントや素材が、影や色となって表面に現れてしまうため、試作を何度も繰り返し。
最小限のディテールですべてがつくられている。
家具としてのディテールを消していくことで、ソファや受付カウンターが家具としてではなく、柔らかな場界面のひとつとして感じられるようになり、空間全体に不思議な抱擁感が生まれている。
(藤原徹平/隈研吾建築都市設計事務所)