現物を拝見し、大変貴重なお椅子であると感じ入りました。ソファに打ち付けられている釘が日本国内では見られない仕様であることから、輸入品であり、明治から大正初期にかけての時代のものではないかと推察しております。改めて、フランスの倉庫で長らく眠っていた由緒あるお椅子であると伺い、その歴史的背景にも深く感銘を受けました。
また、近年の椅子やソファにはほとんど見られない、アーム部分にまで組み込まれたバネ構造やバラバネの使用、中材にパームヤシが用いられている点など、あらゆる部分に古典的かつ希少な構造が確認されました。加えて、今回新たに張る革は通常よりも厚みがあるため、これらの条件が重なることで、対応可能な職人が限られたレストアとなりました。