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アビターレ・イル・テンポでグランプリに輝いた当社製作の「ウツリグツリ」(デザイン:ヒロネン)

alt="アビターレ・イル・テンポでグランプリに輝いた当社製作の「ウツリグツリ」(デザイン:ヒロネン)を模型で再現"
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国内外のデザイナーと組み、職人のこだわりを飛び越えたこれまでの活動の原点はここから始まりました。
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2012年に取材を頂きました、日本テレビ系列|心ゆさぶれ!先輩ROCK YOUでも詳しくご紹介頂いております☆彡

【「椅子づくり百年物語」( O M 出版)宮本茂紀著より】魔法使いの帽子みたいなメルヘンの世界 ヒロネンの「ウツリグツリ」

やわらかさを出す
 ヒロネンがデザインした椅子「ウツリグツ
リ」は、それまでつくったことがない椅子と
いう点で、製作に苦心しました。大河寛之さ
んとイスラエル生まれのロネン・レビンさん
(共に昭和三五年生まれ)-あわせてヒロネ
ンーが、この椅子のスケッチをもって現れた
のは平成二年一〇月頃。匸一月の発表会に間
に合わせたいといってきたのです。
 色黒のヒロと目の透き通ったレビンの説明
によると、「ウツリグツリ」はヘブライ語。
イスラエルの童話の主人公で、いたずら好き
の小人の名前ということでした。たしかに初
めてスケッチを見たとき、魔法使いの帽子み
たいなメ。ルヘンの世界の家具だなと思いま
した。
 スケッチだけではどうにもならないので、
図面を起こすようにいいました。図面を描く
のも大変だったと思いますが、さてこれをど
うやって形にするかです。
 それまでにも、変形のものは手かけていま
すが、この椅子はどうとらえていいのかわか
りませんでした。職人たちにもどうやって説
明していくかが問題でした。

スケッチの印象と同じように、やわらかい感
触でつくるのが大事なテーマで、それでいて
構造的には型崩れしないものでなければなり
ません。
 何しろ変な形なので、木で骨組をつくって
ウレタンを削りながら形を決めていきました。
アームの部分は成型合板とパターンハッポウ
ト(弾力のある塩ビの一種)でっくりました。
背は樹脂の板を使って上半分を柔らかく曲が
るようにしました。脚の位置をどうするか、
も苦心した点です。しかも突然アームのうず
の大きさを変えたいといってきたり、背のツ
ノの曲がっている方向を逆にしてみたり、要
望がいろいろ変わるのにも往生しました。
 やわらかい印象を出すために、さらに重要
なのは縫製ラインをどこにするかという点で
す。縫製ラインは椅子の印象を大きく左右し
ます。特にこの椅子の場合、後ろや裏もよく
見えるので、シワも美しく見せなければなり
ません。そうなると問題は張地の材質です。
伸縮性があって丸みを出しやすいものに限ら
れます。ヒロネンとしては、ビロードに刺繍
で柄を付けたものを使いたいという希望があ
りましたから、それに応えなければなりませ
ん。はじめに彼らが張地を持ってきたのです
が、それでは思い通りの形が出せません。堅
い布だと、ウレタンがぺしゃんこになってし
まうのです。
 ビロードの感触をもつ伸縮性のある布を、
何とか手に入れたのですが、次は刺繍です。
刺繍の位置で椅子の表情が変わりますから、
これも手は抜けません。刺繍した布を切って
張るわけにはいかないので、一度仮に張って、
どこに刺繍を入れるかを決めて、それをはず
して刺繍屋に渡し、再び正式に縫製します。
 色柄違いを二種類つくりました。刺繍は星
とバラでしたが、布に伸縮性があるためツレ
てしまうのです。バラは二度やり直しました。

とてもいい坐り心地
この椅子は「こんなのデザインじゃない」と
いう人もいますが、私は面白いと思います。
率直に「坐ってみたい」「触ってみたい」と
思えるわかりやすさがいいと思うのです。彼
らのこの明快な思い切りのよさは、つくる側
にも「やってやろうじゃないか」という気を
起こさせます。それは技術的な創造と工夫が
ないとできないものだからです。

 最終的には一二月の展示会にも、無事間に
合い、その後も「アビターレーイルニアンポ」
というイタリアの見本市の九二年、九三年の
ポスター・に使われたり、好評を得たようで
す。技術的な評価も高く、ヒロネンからも感
謝されました。
この椅子の場合、デザインが面白いからこそ、
椅子として機能しないと魅力は半減してしま
います。しかも公の場に出すものですから、
どんな人が坐り、どんな坐り方をしても耐え
られるものでなければいけません。坐ってみ
たいと思うのは人情ですし、あの渦を巻いた
アームに、ひょいと腰掛けてしまう人だって
いるはずです。それだけに奮闘しました。
実際この椅子は、坐るとスポツと体が包みこ
まれるような感じで、坐り心地がとてもいい
のです。二脚のうちバラ柄のほうは、スイス
の椅子のコレクターが買い上げたと聞きました。

アームの部分は人が腰掛ける可能性があるで、特に注意した。美しくシワを寄せた縫製に注目してほしい。全体にふっくらと柔らかい感じを出した。

後ろ姿と横から見たところO脚は細いうえに独特の形をしているので、取付けるのに苦労した。

えんじ色の地に金色の星を刺繍したものと、黄色の地に赤いバラを刺繍したものの2種類がある。ツノの向きやアームのつくりが、それぞれちょっとずつ違う。W1000×D1200×H1450 (SH450)

- Company -会社概要

MINERVAの軌跡

“日本初の家具モデラー”の創業者の理念を受け継ぎ、
天皇陛下の玉座修復から西洋家具市場への発信まで取り組んでいます。

1966年8月、東京・品川区で創業した「五反田製作所」が前身のミネルバは、特注家具の製作や修繕を手掛けるプレミアム家具メーカーです。
世界最大規模の国際家具見本市「ミラノサローネ」への出展、大手自動車メーカーからの依頼によるシートの試作、一流ホテルやレストラン用、ヨーロッパハイブランド特注ソファの製作など、幅広い分野で豊富な実績を築いてきました。

沿 革

11月22日(木)放送予定のテレビ東京系「二代目和風総本家」の「皇室と職人~ニッポンが誇る最高峰の技~」では、天皇陛下の儀式用の椅子「玉座」の修復を手がけるミネルバの職人が紹介されました。

テレビ東京系「二代目和風総本家」公式ウェブサイト:
http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/wafu/
https://twitter.com/wafusohonke

※写真:テレビ東京系列和風総本家より

創業者の宮本茂紀は日本初の“家具モデラー”として、世界的な建築家やデザイナーの作品を具現化してきた実績があります。

現在、代表取締役の宮本しげるが二代目家具モデラーとしてデザイナーやアーティストが起こすデザインやイメージ、想いを的確に読みとって実際の家具製作へと結びつけています。

※玉座の修復に取り組む初代モデラー
 創業者 代表取締役会長 宮本 茂紀(右) 黄綬褒章受章
 二代目モデラー 代表取締役社長 宮本 しげる(左) 東京マイスター受賞

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