北海道・札幌市にかつてあったイタリアンレストラン「ムーンスーン」のために、内装を手掛けた建築家ザハ・ハディド氏がデザインした椅子の試作。柔らかげな羊毛部分と鋭角に尖った金属部分、相反する要素が同居する攻めのデザインに「彼女はまるで哲学者だ」と宮本さん。背面後方の金属部分の角は、宮本さんが「誤って体を引っ掛けても怪我をしないように」と配慮し、角を上から見ると丸く滑らかにすることで安全性を確保。横から見ると鋭角に尖ったままなので、デザインにも忠実だ。また完成品の後脚は本試作より長くし、それによって背面がやや起き上がり、飲食により適したかたちにまとまった。